
目次
はじめに
こんにちは、21歳の大学生です。
僕は昔から、劣等感を抱えやすい性格でした。
とくに「人と比べてしまうクセ」は中学生の頃から強くなっていった気がします。
思い返せば、小学生の頃からどこか人間関係がうまくいかず、兄弟げんかも多くて、何かとトラブルに巻き込まれやすい子どもでした。
転校も経験し、新しい環境に馴染むことが苦手だった僕は、少しずつ「自分はうまくやれない人間なんだ」と思い込むようになっていきました。
それでもどこかで、「人よりも目立ちたい」「認められたい」という気持ちはずっとありました。
だからこそ、中学に入ってからは成績や部活の実績、見た目、友達の多さなど、いろんな面で同級生と自分を比べては勝手に落ち込み、自己肯定感をどんどん削っていったのです。
高校、大学と進むにつれて、比較の相手はSNSの中にまで広がっていきました。
同年代のキラキラした投稿を見ては「自分には何もない」と感じ、心の奥で自分を責めてしまう毎日。
「どうせ自分なんて無理だろう」
「頑張ったって、うまくいくわけない」
そう思っては挑戦する前から諦めてしまう。
そんな自分が嫌で、情けなくて、でもどうしていいかも分からなくて――気づけばどんどん心が縮こまっていきました。
人前で堂々と話せるようになりたかった。
たくさん友達を作って、“一軍”のようなキラキラした学生生活を送りたかった。
でも、現実の僕は真逆で、どうしても一歩が踏み出せなかったのです。
そんな僕の人生が少しずつ動き出したのは、就活でボロボロになっていた大学3年生のある日のこと。
部屋にこもっていた僕を心配して、母が一冊の本を買ってきてくれました。
それが、水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』でした。
「夢をかなえるゾウ」とは?──エンタメと自己啓発が融合した傑作

『夢をかなえるゾウ』は、インドの神様「ガネーシャ」がダメダメな主人公に課題を与えながら、成長をサポートしていくストーリーです。
関西弁を話すユニークなキャラと、笑えて泣けるストーリー。
だけど、読んでいるうちに気づけば自分の人生に重ねてしまう…。
そんな不思議な力を持った本です。
シリーズは現在までに全5巻(0〜4巻)が出版されていますが、僕が最初に読んだのは初代『夢をかなえるゾウ』。
今まで読んできた自己啓発本とは一線を画す、”楽しみながら自分を変える”体験でした。
比較癖と自己否定に悩む人にこそ読んでほしい
僕は高校時代、周りと比べてしまう癖がどんどん強くなっていきました。
SNSにあふれる同年代の眩しい投稿、クラスメイトの何気ない一言、兄弟との些細な違い――そんな“ちょっとしたこと”に心が揺れ、自分は何かが足りていない人間なんじゃないかという感覚が、いつも胸のどこかにありました。
「目立ちたい」「認められたい」
そんな思いはずっと抱えていたのに、それを素直に出せるほどの自信はなくて。
うまくいかないことを周りのせいにしたり、自分に言い訳をしたりして、気づけば“挑戦しないこと”が当たり前になっていました。
大学に入ってからは、さらにそれが加速していきました。
周囲の学生たちは、自分の意見をはっきり伝え、堂々と人前で話し、自分の将来を見据えて行動しているように見えました。
一方の僕はというと、「どうせ自分には無理」「今さら何を始めても遅い」と思い込んで、一度挫折した経験から挑戦を恐れ、行動に移すことができませんでした。
やりたいことが分からない。
自分に何ができるのかも分からない。
誰にも見えない劣等感の沼に、ひとりで沈んでいるような感覚でした。
そんなとき、就職活動でつまずき、心が折れて部屋にこもっていた僕のもとに、母が一冊の本を買ってきてくれました。
それが、水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』です。
最初は、「関西弁のゾウが自己啓発?なにそれ…」という半信半疑の気持ちでした。
でも読み進めるうちに、そのコミカルな語り口とは裏腹に、深くて本質的なメッセージの数々に、心を揺さぶられました。
物語の中で、主人公に向かってガネーシャはこう言います。
「成功したいなら、自分を変えなアカン。そのためには、行動せなアカン」
この言葉に、ハッとさせられました。
それまでの僕は、ずっと「意識を変えなきゃ」と思っていました。
でも、何も変わらなかった。
なぜなら、実際には何も“行動”していなかったからです。
『夢をかなえるゾウ』は、僕に「考えてばかりで動けない自分」を突きつけてきました。
でも同時に、「行動するための小さなきっかけ」も、たくさん与えてくれました。
「行動」を促す具体的な課題
『夢をかなえるゾウ』の最大の魅力は、ただ「読んで終わり」ではないというところにあります。
読み終わったあと、自然と「よし、ちょっとやってみようかな」と思えるような、具体的な“行動の課題”が物語の中にちりばめられているんです。
たとえば、こんな課題があります。
- 靴を磨く
- トイレ掃除をする
- 人の長所を見つけて真似る
- 自分の長所を人に聞く
- お参りに行く
- 毎日、感謝する
どれも一見すると、ものすごくシンプルで、当たり前のように感じるかもしれません。
でも、実際にやってみると分かります。「意外と難しい」んです。
たとえば、靴を磨く。たったそれだけのことなのに、「面倒だな」とか「時間がないからまた今度でいいか」と、つい後回しにしてしまう。
人の長所を素直に見つけて、真似しようとする。頭では分かっていても、心の中では嫉妬してしまったり、素直になれなかったり。
でも、そんな小さな課題に向き合う中で、「行動すること」そのものに慣れていく自分が少しずつ育っていきました。
僕はこれまで、考えてばかりで何も動けなかった人間でした。
でも、この本の課題をきっかけに、まずは行動してみる。
完璧じゃなくても、とりあえず一歩だけでもやってみる。そんな気持ちを持てるようになったのです。
行動は、意識よりもずっと静かで、地味です。
でも、その地味な一歩をバカにせず、続けていくことで、自分の中に「やればできる」という感覚が、ほんの少しずつ積み上がっていく。
それがこの本の一番すごいところだと、僕は思っています。
僕が感じた3つの変化
小さな達成感が積み重なる
たとえば、靴を丁寧に磨いたり、普段は照れくさくて言えない「ありがとう」を親にLINEで送ってみたり。
本の中で出てきた課題を、そのまま素直にやってみました。最初は「こんなことで本当に何か変わるのかな」と半信半疑でした。
でも、やってみると、ちょっと気持ちが晴れるんです。
「あ、自分にもできることがあったな」と思える瞬間が、ほんの少しだけ心を軽くしてくれる。
毎日なにか大きな成果を出すことなんて、僕には到底無理です。
でも、小さな“できた”を積み重ねるだけで、自分をほんの少しずつ肯定できるようになる。
そんな手ごたえを、この本の課題を通して感じることができました。
「どうせ無理」が「やってみてもいいかも」に変わる
僕は昔から、完璧じゃないと意味がないと思っていました。
何か始めるにしても、「うまくいかなかったらどうしよう」「失敗したら恥ずかしい」と考えてしまい、結局、行動できない。
頭で考えては悩んで、また自分を責める…そんな繰り返しでした。
でもガネーシャは、そんな僕の思考にユルくツッコミを入れてくれるんです。
「失敗してもええやん。楽しんだらええねん」
このセリフに何度救われたことか分かりません。
ガネーシャは、偉そうに説教してこないし、何かを強制もしない。
代わりに、僕たちと同じようにダラけて、お菓子食べながらふざけて、でも核心をつくことを笑いながら言ってくる存在です。
だからこそ、「完璧じゃなくていい」「ちょっとやってみるだけでもいい」と、素直に思えるようになりました。
挑戦することは怖いことじゃない。むしろ、「人生をもっと楽しむための手段なんだ」と思えるようになったのは、大きな変化でした。
自分と向き合う勇気が生まれた
僕はずっと「夢がないこと」が恥ずかしいと思っていました。
みんなはやりたいことがあって、目標があって、それに向かって頑張っている。
でも自分には何もない。焦るだけで、どうしたらいいのか分からない。
そんな自分を、どこかで否定していたんです。
でも、ガネーシャのこの言葉に出会って、救われました。
「夢は、やりながら見つけたらええんやで」
そうか、最初から“やりたいこと”が分からなくてもいいんだ。
とにかく、何かをやってみる。その中で、好きなことや得意なこと、自分の心が動く瞬間を見つけていけばいい。
そう思えるようになったことで、肩の力がスッと抜けました。
それからは、無理に夢を決めようとするのではなく、今の自分の感情にちゃんと向き合うようになりました。
過去の失敗や、うまくいかなかった出来事も、「ダメな自分」として切り捨てるのではなく、それも含めて「自分らしさ」なんだと少しずつ認められるようになってきています。
その勇気をくれたのがこの本でした。
「夢をかなえるゾウ」を読むのに向いている人
僕が思うに、『夢をかなえるゾウ』は特にこんな悩みを持つ人にこそ読んでほしい本だと思います。
- 自分に自信が持てない
- 何をしたいのか分からない
- 劣等感で挑戦できない
- すぐに人と比べて落ち込んでしまう
- 自己啓発本が苦手だけど、どこかで「変わりたい」と思っている
僕自身、すべてに当てはまっていました。
とにかく他人の目が気になって、自分が本当はどうしたいのかも分からなくなっていた。
頭では「自分のペースで生きればいい」って分かってるのに、いつも他人と比べては落ち込んでしまう。
そんな日々を繰り返していました。
だからこそ、この本の“やさしさ”に救われました。
「もっと頑張れ」とか「これができないやつはダメ」とか、そういう言い方じゃない。
むしろ「できないのも人間やで〜」と笑いながら寄り添ってくれるような感覚。
プレッシャーがなくて、読み終えたあとに不思議と前を向けるんです。
中でも僕が特に心に残っているのは、シリーズの中でも『夢をかなえるゾウ0』。
これは、人の顔色を伺いがちな人や、自分の意見を持つのが苦手な人には特に刺さる内容だと思います。
僕自身もこの巻の中で出てくるワーク、たとえば…
- 「自分の“やりたくないこと”を書き出してみる」
- 「周囲の期待ではなく、自分の“好き”に向き合ってみる」
こういったシンプルだけど本質的な問いかけに、何度も救われました。
それまで「やりたいことを探さなきゃ」とばかり思っていた僕にとって、“やりたくないこと”に向き合うという逆のアプローチはとても新鮮で、自分を見つめ直すきっかけになりました。
自分の気持ちに正直になることは、簡単なようでいて、実はすごく難しい。
でも、この本はその“難しさ”を笑い飛ばしながら、少しずつ前に進む方法を教えてくれるんです。
まとめ:僕が今心掛けていること
『夢をかなえるゾウ』を読んだからといって、人生が劇的に変わったわけではありません。
相変わらず、落ち込む日もあるし、自信が持てない瞬間もたくさんあります。
でも、確実に“何か”が、僕の中で静かに、でもたしかに動き始めました。
たとえば――
- 比較して落ち込んでも、「それも自分の特性」と受け入れられるようになった
- 完璧を求めて立ち止まるのではなく、「まず一歩踏み出す」ことを大切にできるようになった
- 小さなことでいいから、「今日ひとつ、できることをやってみよう」と思えるようになった
そして何より、自分の気持ちに正直でいたいと思えるようになったことが、一番の変化です。
その想いを形にするために、僕はInstagramで日記の投稿を始めました。
何をやっても続かなかった僕が、気づけば半年以上も続けられています。
自分の言葉で、弱さも迷いも含めて正直に綴ることで、少しずつ、でも確実に自分を肯定できるようになってきたのを感じます。
今ではたくさんのフォロワーの方が見守ってくれていて、正直驚いています。
さらに、毎日の筋トレも習慣になりました。
懸垂、腕立て伏せ50回、ランニング1km。
量は少ないかもしれませんが、かつての僕からすれば、これでも十分すぎる“革命”です。
そして最近では、「オンライン朝活会」を立ち上げました。
毎朝、早起きが苦手だった僕が、今では朝4時台に起きて行動を始めています。
これは、“行動することでしか人生は変わらない”というガネーシャの教えを、僕なりに形にした結果です。